1室からのバリアフリー。東京新聞 バリアフリー温泉

この記事は10分ぐらいで読めます♪読み応え十分!どうぞお付き合いください^^

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スタートは2014年3月

あれから5年です。

3世代でもラクラクのバリアフリー旅、
そして家族で落語を楽しんでほしい…
鈴の宿 登府屋旅館の 遠藤直人(@naaot)です。

「車いすでもラクラク。バリアフリーの温泉宿。」

このキャッチフレーズを使いはじめたのが、2014年。
バリアフリー特別室を1室改装したのが、キッカケでした。

当時は、バリアフリーの宿は、ほとんどなく、県内でも2軒ほど。
車いすで旅行する方がどのくらいいらっしゃるかもわからず、不安のなかでの船出でした。

当館は、全14室。
14室のうちのたった1室をバリアフリーにしただけにも関わらず、「バリアフリーの宿」として、すべての告知をバリアフリーに費やしました。

一か八かでしたが、結果的にはバリアフリーに全ての力を注いだことが功を奏しました。

あれから5年。

車いすのお客様は年々増えつづけています。
車椅子は必要ないけれど、杖のお客様なども増えました。
ほとんどはご家族とご一緒なので、10名前後でのご利用になります。

核家族化が進み、お子様を入れても4名前後でお泊りになるご家族が多いなか、バリアフリー旅は親戚も呼んでの大人数になることが多い。
微笑ましい宴会が増えました。

おかげで、細かな意見もいただき、改装に繋がりました。

大浴場の入り口に手すりとスロープを設置。
1階の共同トイレをバリアフリー化。
3階の廊下に手すり
会食場をバリアフリー化。

「もっとこうなれば」を毎年少しずつ改装してきました。

なかでも、大きかったのが、貸切風呂の新設。
やはり温泉旅館に行ったら、一番の楽しみは温泉です。

あきらめかけていた方が、「10年ぶり!」とおっしゃって入浴する姿も見かけます。

そして今年は、バリアフリーツインルームを2室改装できました。

バリアフリーのお部屋に泊まりたいお客様が増え、1室だけでは足りなくなりました。
また、特別室ほど広くなく、コンパクトななかでのバリアフリーが良いというお声もありました。

「うちはここがバリアフリーじゃないな」と様々な手直しをし、ようやくほとんど網羅できました。
2014年に「ここまでできれば十分」と思ったレベルに施設の面では到達できました。

まだ全ての客室ではありませんが、3室がバリアフリーになったことでお客様のご希望の日に泊まれるようなりました。

登府屋旅館 バリアフリー元年

まもなく令和元年となる今年。

当館としては、「真のバリアフリー元年」となります。

とりあえず1室だけの黎明のバリアフリーから、貸切風呂などひと通り揃った真のバリアフリーへ。

タイミングよく、本日の東京新聞に掲載いただきました。

山崎まゆみさんが連載する「ようこそ!バリアフリー温泉」

これまでの歴史をまとめたような内容に山崎さんならではの視点が加わり、大変ありがたい記事にしていただきました。

ようこそバリアフリー温泉 ウェブ版

5年間でかなりの数のお客様を受け入れ、試行錯誤を繰り返してきました。
「もう大丈夫だろう」と思っても、まだまだ私たちの知らない、気づかぬニーズがあります。

バリアフリーの受け入れは、ハードだけではありません。
その方の自宅では当たり前でも旅館に来たらできないことは、まだまだあります。
それらは、たいていこちらが想像もつかない内容で、よく話を伺って、やっと理解が追いつきます。

なかなか「これで大丈夫」という境地にはたどりつけませんが、まだまだ試行錯誤を繰り返しながら受け入れの質の向上に努めたいと思います。

ふくしま若旦那とのコラボ企画で山崎さんと(1列目 中央が山崎まゆみさん)

新しくできたバリアフリーツインルーム

人には個性があり、身体の状態はひとりずつ異なります。
手すりを付けてフルフラットにすれば大丈夫、という施設のバリアフリーだけでは完全な対応はできません。
最後は旅館の人たちのもてなしがカギである-。
そんなことを本連載で綴(つづ)ってきました。

山形の米沢にある小野川温泉登府屋旅館の若旦那・遠藤直人さんは、十年以上にわたって車いすのお客さんを五百人、ご家族も含めたら千五百人をもてなしてきた経験豊富なバリアフリー温泉の達人です。

きっかけは、亡きお父様が晩年、車いすを使うようになり、旅館内の不便さを感じたことだそうです。
十四室の小規模旅館で、風呂の前にエレベーターがある旅館の構造は、車いすのお客さんには移動しやすく、バリアフリー向きだと気づきました。

そんな遠藤さんが新たにバリアフリー対応の貸切風呂=写真(中)=を造りました。
広い脱衣所には、寝ころびながら着替えができるようにシングルベッドほどの大きさの台があります。
脱衣所から引き戸を引くと、この台と繋(つな)がれたタイル張りの湯船の縁があります。
台から縁伝いに移動すると、縁はなだらかな傾斜がついていて、そのまま下りていくと温泉に浸(つ)かることができる、滑り台風のお風呂。

十カ所からお湯が出るシャワーも設置。
髪や身体を洗っている時にシャワーを出しておけば、全身が冷えることはありません。
着脱式の手すりと浴場専用車いす「シャワーキャリー」、そして足湯ができるフットバスも常備。
男性の露天風呂もバリアフリー対応です。源泉そのままの美人の湯を安心して楽しめます。

二階にあるバリアフリー対応の客室はエレベーターから最も近いところにあり、内装はしゃれています。

遠藤さんは、こうしたバリアフリー情報を公式webサイトやSNSで発信中。
加えて、「温泉に入れるだけでなく、旅館にいながらわくわくしてほしい」といいます。
二〇一五年から「立川こしら落語会」を登府屋で開催。十三回目を迎えましたが、毎回、車いすのお客さんとご家族に喜ばれ大人気。
六月下旬からは蛍が見ごろです。 (温泉エッセイスト・山崎まゆみ)

 

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