旅館街か、おんせんまちか?人口減少で引き算のまちづくり

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人口減少でなくなるであろう温泉街

時代の流れだもの。。。

3世代でもラクラクのバリアフリー旅、
そして家族で落語を楽しんでほしい…
鈴の宿 登府屋旅館の 遠藤直人(@naaot)です。

今日は、温泉街について考えてみます。


小野川温泉も「温泉街」です。
でも、そんな言葉はもうすぐ無くなってしまうのかしれません。

温泉旅館が立ち並ぶ温泉街

そんな危機感を感じる昨今の人口減少。
高齢化し、少子化し、人口が減る。

頭では、わかっていてもちゃんと考えておかないと、時すでに遅しになりそう。

人口減少とは、引き算の社会。
「定住人口が減る」。

だから、税収が減る。

これはこれで当たり前ですが、減るのは定住人口だけではありません。

人口減少で減る3つの人。

人口減少で減る人。

まずは、先ほどの納税者

これが減ります。

そして、会社として困るのはさらなる2つの人。

お客さま。
当然、減ります。

わかりやすいのは床屋さんですね。

お客様が、月に一回、髪を切るとしたら、あとはそのお店に行く人が何人いるかの掛け算で売上が決まる商売ですから。

月に一回、切るのが変わらないとしても人が減る。
すると、全体が減ってしまう。

そして、ただでさえ減るのに、周りに激安の1000円カットができたりする。

あと、減るのがスタッフ

労働者です。
求人募集をしても応募が来ない。

旅館なら空室のある日に予約が入る。
「予約を受けたい!でも、スタッフが手配できない。」

だから、お断りする。

すでに現実になっています。

売上を上げるには予約を取りたい。
でも、取りすぎると回らない。
よって、取らない。

ダウンサイジングのスパイラルです。

温泉街全体の引き算

これを温泉街全体で考えてみます。
結論から言えば、旅館が減ります

温泉街は、これまでは旅館街でした。

すでにバブル期に崩壊したところもありますが、まだ残っているところは旅館街です。

旅館が立ち並ぶ。

お店が並ぶ。
旅館に泊まったお客様がお店にも買い物に行く。

そして、街並みが維持される。

人口減少が進むと、旅館の仕事自体がとても不効率になります。
隣り合った宿でそれぞれがスタッフを雇い、1泊2食を売るために長時間の労働をする。

満室ならいいですが、そういうわけでもない。

バブル期は、旅館を大きくして、売店やスナック、ラーメン屋さんまでも館内に取り込み、温泉街がなくなりました。

これからは、大規模化せずに街並みを維持できた温泉街も厳しくなるでしょう。

引き算で維持するまちなみ

さて、そこでどんな引き算ができるのか?

キーワードは、1泊2食。
これを守るか、捨てるか。

旅館街として、みんなで1泊2食を売りつづけるのか?
おんせんまちとして、各自ができることをするか?

要は、1泊2食の旅館をやめて、違うできることをする。
スタッフもいないし、お客様も減ってきたら、妥当な決断です。

ここで心強いのが旅館の良さ。
実は、旅館はサービス業ではありません。

旅館=サービス業。
そう思うと「接客のプロ」なイメージがありますが、実態は違います。

旅館=製造業+小売業+飲食業+アルファ。
1つの旅館は、様々な業種の集まりです。

厨房は、製造業。

売店は、小売業。

食事の時間は、レストランのような飲食業であり、布団やお風呂もあります。

つまり、引き算するだけで、全く新しい業種になれます

厨房を生かして、お菓子を作って通販してもいい。

お弁当を作って、仕出しをしてもいい。
ラーメンを作って、ラーメン屋になってもいい。

売店もセレクトショップにしてもいいし、洋服屋にも、着物屋にもできます。
お風呂は、そのまんま公衆浴場にできますし、宴会場と組み合わせて健康ランドにもできます。
客室も布団だけ敷いて、ビジネスホテルにしたり、昼寝専門にしたり。
骨董品がたくさんあるなら、入場料を取って美術館にしたり、カフェにしたり。
普段していることを昼にして、お風呂と食事でデイサービスの福祉施設にもできます。

1泊2食は、単価が高いので、どうしても手放したくない気持ちはわかります。

でも、思い切って業態を変えたほうが、スタッフもいらず、利益の残る形が作れるかもしれません。

要は、選択と集中。

「温泉街=旅館街=温泉旅館が並ぶ街」から、「温泉街=おんせんまち=温泉を中心としたいろんなお店があるまち」へ。

今の温泉街を1泊2食のお客様のみでいっぱいにするのは、大変そうですが、分業のように施設を分けて、それぞれが違う時間に満室・満席には、できそうな気がします。

地方の人口減少を考えながら、ふとそんなことを思った今日この頃です

 

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