落語紹介「時そば」。ベスト3に入る有名噺

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有名だけど、知ってる?「時そば」

野暮なんですが、解説っす。

3世代でもラクラクのバリアフリー旅、
そして家族で落語を楽しんでほしい…
鈴の宿 登府屋旅館の 遠藤直人(@naaot)です。

寒くなってくると、温かいものが恋しくなるもんで…。
まさに今の季節にぴったりの噺が「時そば」です。

「それにしても今日はやけに冷えるね。」

「時そば」がどんな話なのか、改めて勉強する意味でも解説させていただきます。

舞台は、そばの屋台。

屋台といっても深夜に通りで売っているタイプの屋台。
と聞くと、イメージとしてリヤカーが思い浮かびますが、正解はこちら。

 

時そば

移動式です

これを天秤棒みたいに担いで移動してたんですね。
お店というより移動式の厨房。

客が座るスペースはないんです。
客は、立ち食いなんですね。

「時そば」をどう見るか?

「時そば」は、柳派の落語家が得意とした演目。

時そばの間

うちの205号室です

柳派といえば、真っ先に浮かぶのは、5代目 柳家小さん師匠。
お味噌汁のCMにでてたおじいちゃんです。

小さん師匠の弟子が、立川談志師匠ですから、立川一門も得意な話ってわけです。

そんな「時そば」には2つの見方があります。

まず、主役たる「そば」。

扇子と手拭いで全てを表現する落語。
そばを食べるときは、扇子を使ってすすります。

これが、実に美味しそう。

そのそばの仕草が見どころであり、要チェックポイントです。

そしてもう一つ。

古今亭志ん生師匠曰く、「この噺は、一文(いちもん)ごまかす噺だ」。

蕎麦屋の客として出てくる男。
それぞれが、一文、ごまかそうとします。

そこが見どころです。

あえて大げさにいえば、「詐欺」なんです。
詐欺ネタ。

詐欺とはいっても、食い逃げするわけでもなく、お店に気づかれないようにこっそり1文ごまかす。
この辺が、落語らしくて、いいですね。

詐欺といっても、かわいらしい知能犯。笑

逆にいえば、あなたがお店をやっているのなら、もしかして、気づかないうちにうまいことやられてません?
という警鐘とも取れます。

単なる面白い噺として聞くと、「笑えるかどうか?」ですが、「もしかしたら何か意味があるのでは?」と考え出すと、途端に深い。
それが落語なんです。

そして、たいていの話は、現代にも通じる人間の根本なのです。

今日は、小さん師匠の「時そば」をどうぞ

一応、あらすじ

一応、あらすじも。

ウィキペディアのコピペディアで。

ある冬の深夜0時頃、小腹が空いた男Aが通りすがりの屋台の二八そば屋を呼び止める。

Aは主人と気さくに「おうッ、何ができる? 花巻にしっぽく? しっぽくひとつこしらいてくんねえ。寒いなァ」とちくわ入りのかけそばを注文する。
その後は、看板を褒めたり「いや、実に良い箸だよ。素晴らしい」と割り箸をほめる。
更にそばを食べながら器、汁、麺、具のちくわなどを幇間(たいこもち)よろしく、ひたすらほめてほめてほめ上げる。

食べ終わったAは、16文の料金を支払う。
ここで、「おい、親父。生憎と、細けえ銭っきゃ持ってねえんだ。落としちゃいけねえ、手え出してくれ」と言って、主人の掌に一文銭を一枚一枚数えながら、テンポ良く乗せていく。

「一(ひい)、二(ふう)、三(みい)、四(よう)、五(いつ)、六(むう)、七(なな)、八(やあ)」と数えたところで、「今何時(なんどき)でい!」と時刻を尋ねる。
主人が「へい、九(ここの)つでい」と応えると間髪入れずに「十(とう)、十一、十二、十三、十四、十五、十六、御馳走様」と続けて16文を数え上げ、すぐさま店を去る。
つまり、代金の一文をごまかしたのである。

この一部始終を陰で見ていた男Bは、Aの言動を振り返り、Aが勘定をごまかした事に気付く。
その手口にえらく感心し、真似したくなったBは、自分も同じことを翌日に試みる事にする。

そばを食べる事が目的ではなく、1文をごまかすためだけにわざわざそばを食べる。
待ちきれずに早めに繰り出したBは、Aの真似をするがことごとくうまくいかない。

箸は誰かが使ったもの、器は欠け、汁は辛過ぎ、そばは伸び切り、ちくわは紛い物の麩。
とうとうそばをあきらめ、件の勘定に取り掛かる。
「一、二、……八、今何時でい」主人が「へい、四つでい」と答える。
「五、六……」。

まずいそばを食わされた上に勘定を余計に取られるというオチ。

当時の時法では深夜の「暁9つ(午前0時頃)」の前が「夜4つ(午後10時頃)」だったことにより、この話が成立している。

 

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