日本経済の埋蔵金!6・18 サービス業の生産性革命宣言
この記事は12分ぐらいで読めます♪読み応え十分!どうぞお付き合いください^^
私が官邸に呼ばれたワケ
あまりにも近くて、しんぞうバクバクです。
こんにちは。
首相官邸に潜入してきました…。
鈴の宿 登府屋旅館の遠藤直人です。
まずは、コチラをご覧ください。
近い!
首相官邸でとある会合に参加してきました。
とある会合とは…
第1回 サービス業の生産性向上協議会
事前にハッピでもいいか確認したところ、OKいただいたので「米沢八湯」で行かせていただきました。
今回の趣旨を平たく言うと、こうです。
日本のGDPの7割を占めるにも関わらず、生産性の低い業界があります。
宿泊、飲食、小売、運輸、介護の5業界です。
もっとがんばって生産性あげようよ!
というお話でした。
なーんて、話をすると、「なに?うちは十分やってるわ!生産性低くないわ!」と怒られそうです。
まずはじめに生産性が低いとは…、業務に「ムリ・ムダ・ムラ」がある状態です。
ムリ… 設備や人の心身への過度の負担
ムダ… 原価のみを高める要素
ムラ… 仕事量・人の負荷のバラつき
明らかに製造業的な視点ですが、サービス業もウラに回れば製造業といっしょです。
例えば、旅館の中の製造業らしい現場、厨房。
うちは十分やっているといっても、この写真はどうでしょう。
私は衝撃を受けました。
普通は、天ぷら油は18リットルの一斗缶で仕入れます。
その18リットルを持ち上げて注ぎます。
それが、蛇口。
スゴイでしょ。
これなら女性でもラクラク。
でも、ポイントはそこだけじゃないんです。
なんと、この旅館では、天ぷら油をタンクローリーで仕入れています。
だから、一斗缶が存在しない。
さらに、コストも20%安い。
さらにさらに、一斗缶で注ぐと、カラになったと思っても中には5%くらい残っているそうです。
その5%のロスもない。
つまり、「ムリ・ムダ・ムラ」がなく、生産性が高い、というわけです。
私は、天ぷら油をタンクローリーで買えること自体、知りませんでした。
生産性、低っ。
さらに、こんな写真も。
さながら、イージス艦のようです。
大きい宿だからというのはあるでしょうが、どこの宴会場にどの料理をいくつ、何時までというのが、液晶に並びます。
やはり、まだまだ旅館業界は生産性への意識が低かったな…、と思いました。
「今までこうやってきた。」
「だいたいこんな感じでしょ。」
なんとなくの感覚で続けてきているんだと思います。
安部総理、甘利大臣、榊原経団連会長も臨席
そんな私たちに安倍総理からのお言葉。
途中からですが、現場の雰囲気が伝わります
「本日は、北海道から九州まで、全国津々浦々から、日々の経営にお忙しい中、経営者の皆様を始め、事業者団体の代表の皆様、そしてまた協力者の皆さんが、ここ総理官邸に結集をしていただきました。
皆さんのパワーに直接触れることができて、大変嬉しく思っております。
賃上げに伴う消費回復が期待される中、今後、労働力不足の克服がアベノミクスの最大の課題となってきています。
この課題を乗り越えるためには、生産性の向上しかありません。
中でも、我が国の雇用の7割を担うサービス業は、飛躍的に生産性を高める潜在力を秘めています。
今こそ『サービス生産性革命』を起こす時であります。
この壮大な国民運動の母体として期待しているのが、本日第一回を迎えた、この『サービス業の生産性向上協議会』であります。
サービス業の生産性向上は、長年指摘されてまいりましたが、なかなかうまくいっていなかったのが実情であります。
これは、先ほど申し上げましたように、考え方によってはこれから大いに可能性があると、可能性を今まで残していただいたと、感謝しなければならないとこう思っております。
しかし、それだけに難しい課題でもございまして、一括りにサービス業といっても多種多様で、生産性向上の方策も分野ごとに様々であります。
ですから今回、小売業、飲食業、宿泊業、介護業、運送業、各々の分野ごとに、きめ細かく、官民を挙げて全面的に支援していく体制をスタートしました。
正にオールジャパンの国民運動の幕開けと言ってもいいと思います。
本日は、製造業の『カイゼン活動』のサービス業への応用やIT・ビッグデータ・設備の活用などによって、飲食業、宿泊業、小売業で飛躍的に売上げが上昇したり、従業員の負担が軽減された事例が、具体的に今日、御報告を成果としていただいたわけでございます。
時間の関係で報告いただけませんでしたが、介護サービス、トラック運送業でも新たな取組が始まっています。
こうした先進的取組を広く普及し、それぞれの分野の生産性向上につなげていただくため、協議会で徹底した議論をいただき、サービスの『見える化』、『標準化』、そして『顧客価値の向上』に結び付けていただきたいとこのように思います。
今日が第1回2015年6月18日であります。
この6月18日が、正にサービス産業の革命が始まった日として皆さんに記憶されるというか、国民全体にサービス産業に関わる皆さんに記憶される日となりますことを。
あの時総理大臣誰だったかな、これはもしかしたら忘れることがあったとしても、6.18で大きく日本サービス産業が変わった。
こう思っていただけますように、私も国民運動の先頭に立ちますので、本日お集まりをいただきました経営者の方々には、それぞれの分野で自ら先頭に立ってリーダーシップを発揮していっていただけますようにお願いをいたしまして、御挨拶とさせていただきたいと思います。
皆さん、一緒に頑張りましょう。」
生産性向上は、宝の山
政府と経団連の会長と業界団体が会合をしているのを見ると…
「生産性の向上よりも労働環境でしょ」
みたいなツッコミのツイートがあったりします。
すぐに話を労使対立に持っていったりします。
しかし、生産性向上は労使が対立するテーマではありません。
先ほどの天ぷら油でも、結果的には重いものを持たなくてよいので働き手の負担が軽くなっています。
さらに、時間も短縮しています。
利益も出やすく、賃金の上がる可能性がアップします。
利益を賃金アップに使うか、株主に分配するかは、会社の方針次第ですが、利益がなければどちらもありえません。
面白いと思ったのは、「売上アップ」とは、いっていないわけです。
「生産性をあげる」。
だれでもできる。
すぐに明日からできるテーマです。
今ある現場に目を向ければ、もっと儲かるかもしれませんよ。
というお話です。
コストが下がり、時間も短縮でき、働き手も楽になる。
食べ物屋さんなら、より早く提供されるのでお客さまにもうれしい話です。
そんなわけで…
旅館業界に関しては、そのバックアップをしてくださっているのが、観光庁さんです。
次世代経営者向けの研修やネットでの専門的なセミナーなど、見方や考え方から導いてくださっています。
今後は、さらなる具体的なバックアップになっていくことと思われます。
旅館業界のみなさん、生産性向上、がんばりましょう。^^
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