強みを知るためのアンケートの作り方
この記事は10分ぐらいで読めます♪読み応え十分!どうぞお付き合いください^^
大切なことは、お客様の声から教わった
昨日の記事が、エクスマに初めて触れた話だったので、流れで…。
エクスマに触れて一番最初にやったこと。
アンケートの見直しでした。
「お客様の声」って大事です。
スタッフに読ませれば、モチベーションが上がりますし、時には気づいていなかった強みを教えてくれたりもします。
「うちの宿を今後どうしていくか?」を考える際、自分が思いつくことよりも、お客様の声から気づくことの方が多いくらいです。
「今までの旅館はなにを感謝されていたのか?」
を考えることで今後の方向性も見えてきます。
自分で思いついたり、考えたりした部分より、お客様の声により方向性がしぼられてくるといえます。
結局、毎日すべてのお客様にお会いし、お話しすることはできない以上、自分の宿のどこがよかったという細かい部分は「お客様の声」で気づかされてきました。
「お客様の声」が、いかに大切か。
その効果は、絶大で、枚挙にいとまがありません。
が、ただ単にとったお客様の声ではいけません。
お客様の声をどうとるか?がとても大事です。
つまりは、フォーマット(様式)ですべてが決まるんです。
アンケートはフォーマットしだいで結果が180度変わる
実は、私が、Uターンで宿に帰ってきたのが、2004年。
一番最初にやった仕事は、アンケートの作成でした。
私が帰ってくるまでは、宿独自のアンケートはありませんでした。
ただ、旅行会社さんのアンケートのみがありました。
旅行会社さんもアンケートとは…
よい「5」 まあまあよい「4」 普通「3」 よくない「2」 悪い「1」
という数値式でした。
数ある旅館をランク付けするのには、大変役立ちます。
旅館はこの数値のアップダウンに戦々恐々として、クレームがあろうもんなら即全体会議です。
が、数字だけでは、実は何の意味もありません。
一喜一憂する以外ないからです。^^;
しいていえば、「隣の旅館は料理が満点らしい。何をしているか、聞いてみよう。」と他社を見るきっかけになるくらい。
だから、せっかくやるなら数値式は意味がない。
筆記式にしよう!と決めていました。
その時のアンケートは、コチラ。
「サービス」「お料理」「お風呂」「清掃」という4項目について、
フリースペースで聞いてみました。
しかし、これがなかなか…、厳しいんです。
よい印象のお客様は・・・
「サービス」 → よかった
「お料理」 → 満点
「お風呂」 → すばらしい
「清掃」 → 満足
って・・・、一言だけ??
「もっと具体的に書いてよー、何が良かったの?」
と思っても、あとのまつり。
その反面、悪い印象のお客様は、小説のように細かい描写で、その欄に書ききれないほどの内容のクレームを書いてくださいます。
または、「〇〇がほしかった」という他の宿との比較をいただきます。
ウチの宿のよさではなく、他の宿との差。
当時は、しょうがないと思っていました。
たま~に、詳細な おほめのコトバをいただけると、感動もひとしおでした。
フォーマットを変えただけで結果が劇的に変わった!
とにかく、記入欄がデカイ!
「こんなにお客様の声って書いていただけるのか?」
という不安があったくらいです。
ところが…、
書いていただけるんです。
しかも、
おほめのコトバを…
詳細に!
料理とかサービスとか一切変えず、この用紙を変えただけです。
それなのに、全然変わるんです。
以前のフォーマットでは、「長文=クレーム」でした。
読む前から条件反射で長文をおそれるクセがあったほどです。
それが、長文のおほめのコトバに変わったのです。
「実は、ウチは喜ばれていたんだなぁ…。」と、しみじみ実感できました。
クレームを受け入れることは大事なのですが、そればかり読むと自信喪失します。
ココだけの話、私はあまりクレームは気にしません。
大多数は、他との比較だからです。
本当にうちの目指す方向に関するクレームの時は、しっかり受け止めますが、なかなかないのが実際です。
そして、人生を変えた衝撃のコトバに出会いました。
旅館の方向性を決定づけた、とあるお客様の声
これは、当館のあるお客様のお声です。
この声に出会えたことが、私の人生、旅館のカタチ、すべてを変えました。
そのくらいの衝撃のあった声。
その時、歴史が動いた!
足の不自由な母と大きなお風呂に入りたく、この旅館に泊まらせてもらってます。
風呂も近いし、食事もテーブルに座ってできる。
母のうれしそうな顔が見れるのは、なによりありがたいです。
ボケが出てきて、私の顔もわからず、何回も聞くようになっているのに「お風呂、ここに前にも来た、知ってる」といってくれます。
きっと、うれしい思いが記憶も保ってくれているんだと関心。
私もうれしくなりました。
もはや宿の評価ではなく、お客様の人生の1ページです。
お料理85点、お風呂80点、接客75点…。
などという点数表記では絶対にわからない、旅館の可能性。
旅館は料理を出して、布団を敷いて、お風呂を準備すればいいわけではない。
そんな単純作業の点数ではなく、もっとお客様の人生を変えるような可能性を持った商売なんだと気づきました。
実は、このお声がきっかけとなり、今の登府屋旅館の「車いすでもラクラクの宿」につながっていきます。
フォーマットを変えただけでお客様自身の体験や過去の人生とリンクしたような素晴らしいお言葉をたくさんいただけるようになりました。
すべての業界、すべての会社が自社のよさに気づき、活用できれば、最後には「競争」がなくなります。
他社を見ないで…
自社を見る。
他社を見ないで…
お客様を見る。
お客さまを見て、声を聞いて、自社独自のモノサシを得る。
自社のモノサシが手に入れば、あとはやるだけです。
自社独自のモノサシは、アンケートのフォーマットにあり!
というお話でした。
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