登府屋旅館 SDGS 100連発 ①
この記事は8分ぐらいで読めます♪読み応え十分!どうぞお付き合いください^^
温泉宿のSDGS
今日は節分。
鬼は外、福は内…。
果たしてSDGSは、旅館にとって鬼なのか、福なのか。
3世代でもラクラクのバリアフリー旅、
そして家族で落語を楽しんでほしいし、カップルではサウナも…
鈴の宿 登府屋旅館の 遠藤直人(@naaot)です。
さて、猫ひろしさんよろしく「SDGS100連発」と銘打って、登府屋旅館のSDGSをまとめてみたいと思います。
こんにちは、エコひろしです。
(SDGS=エコとは限りませんが…)
100個も続かなかったら、それはそれで。
まず、当館のお風呂は「源泉100%掛け流し」です。
SDGS的な意味を紐解きますと…。
SDGS #1 加水していない
源泉が100%ということは、「水道水を使っていない」ということ。
小野川温泉に昔からある源泉は、80度。
当然、熱くて入れません。
そう簡単には冷えません。
昔は、80度の源泉に水道水を加水して湯はりしていました。
つまり、水道水を多量に使っていました。
平成20年、新たな源泉を掘削。
35度でした。
実は、これが奇跡の温度。
温泉は、25度以上でないと温泉と名乗れません。
それでいて、湯船の42度より低い温度。
つまり、80度と35度を混ぜれば、ちょうどいい温度の湯はりができます。
水道水を一切使わずに。
加水していない=すでに節水、なのです。
SDGS #2 加温していない
温泉と名乗るには、25度以上。
これが日本のルールです。
すると25〜40度の温泉もありえます。
温泉と名乗れますが、入浴するには温度が低いタイプです。
入浴に適した温度にするために「加温しなければなりません」。
加温する=エネルギーを使う。
石油や薪など、何らかの方法で加熱します。
当然、二酸化炭素も排出します。
つまり、加温していない=二酸化炭素を排出していない、なのです。
SDGS #3 温泉を熱源としたヒートポンプを活用
SDGS #4 温泉熱で給湯
SDGS #5 温泉熱で暖房
SDGS #6 12年間、石油を使用していない
SDGS #7 12年間、二酸化炭素を排出していない
当館の 環境への取り組み は別ページにもまとめてありますので詳しくはそちら。
2010年、登府屋旅館では、それまで使っていたボイラーと冷温水発生器を撤去し、ヒートポンプに一元化しました。
きっかけは、違和感。
お風呂に行けば、源泉100%掛け流しで、42度の温泉がずっと流れていました。
ボイラー室に行けば、石油を燃やして水道水を温め、給湯やシャワーで使っていました。
自然由来の熱を捨てながら、石油を燃やして熱を作る。
この矛盾を解決すべく、廃湯を熱源とするヒートポンプを設置しました。
42度の温泉を貯めて、熱交換して、ヒートポンプで熱を増幅します。
ヒートポンプにより、42度から60度を作れます。
自然由来の温泉をフル活用し、年間29t使っていた石油をゼロにできました。
二酸化炭素も年間58t削減しています。
2010年からはじめて、すでに12年が経過しています。
石油 29t × 12年分
二酸化炭素 58t × 12年分
実は、SDGSが叫ばれるより前から、SDGSでした。
SDGS #8 温泉を守りつづけている
もしも、人間が火を扱えないとしたら?
何かを燃やさずに暖を取ろうとしたら、自然界には「太陽光」と「温泉」くらいしかありません。
マグマもありますが、暖を取るには難しそうですから。
そう考えると、気象を気にせず気軽に扱える温泉は、最強の熱。
小野川温泉では、834年からずっと温泉が湧きつづけています。
永遠に続く自然現象のように思われますが、維持するには人の知恵が必要です。
温泉は、掘りすぎたら枯れることもあります。
適度に使うのが、温泉維持のコツ。
また、小野川温泉でも河川工事による温泉の危機がありました。
川をコンクリート化して、安全にするという話。
水源である川にフタをしては、地中に浸透する水が減り、温泉が出なくなる恐れがあります。
この工事は、地元の反対により、工法を見直すことになりました。
温泉が湧き続ける環境を守ることもまたSDGS。
小野川温泉では、陸の豊かさを守りつづけています。
SDGS #9 シャワーヘッドで節水
当館のシャワーヘッドは、すべて節水シャワーヘッドに切り替えています。
水量を減らしながらも、快適にシャワーできます。
SDGS #10 カランで節水
当館のシャワーヘッドは、すべて節水カラン。
時間により、自動で止まります。
水の出しっ放しを防ぎ、節水につながります。
いかがでしょうか?
お風呂だけでもさまざまなSDGsがあります。
SDGsと聞くと、新しいことを始めなくてはならなそうですが、今までやってきていることがそのまま当てはまります。
特に、日本の地方には、「そもそもSDGs」がたくさんあります。
そんなSDGsパイセンを引き続きご紹介していきます。
残り90個。
2月10日にシンポジウムに登壇させていただきます。
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