どうして米沢ばっかり?支え合いキャンペーンの裏側

この記事は9分ぐらいで読めます♪読み応え十分!どうぞお付き合いください^^

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「米沢市はなんでそんなにやってくれるの?」

ご無沙汰でした。

3世代でもラクラクのバリアフリー旅、
そして家族で落語を楽しんでほしい…
鈴の宿 登府屋旅館の 遠藤直人(@naaot)です。

同業者の皆様から羨望の眼差しでよく言われます。
「米沢市って、なんでそんなにキャンペーンしてくれるの?」

そうなんです。
日本全国を対象としたGOTOキャンペーンが止まっている中、米沢市は2月から独自のキャンペーンをしています。

宿泊料と追加の飲料も含む半額キャンペーン。
金曜日と土曜日は、最大5千円引き。
それ以外の曜日は、最大7千円引き。

2月は、山形県民限定。
3月は、東北6県と新潟県民限定。
3月は好評すぎて、期間の途中で予算に達し、早い者勝ちになってしまいました。

そして、この度、4月からもキャンペーンが始まりました。
今回は、東北6県+新潟県民限定。

ただし、緊急事態宣言などのエリアは、事前に予約があってもキャンペーンは対象外になります。
その場合、泊まれますが、割引はできません、という意味。

4月から再び!

日本中で観光客がストップしているなか、米沢市だけは例年ほどではないものの、なんとか動いています。

私なりの解説です。

行政の腹の括り方が違う

1月中旬。
GOTOキャンペーンは始まりそうもなく、一都三県に緊急事態宣言が出ているなか、米沢市と観光関係者との意見交換の場がありました。

宿泊事業者から…
「我々は、攻めも守りも合わせられます。
キャンペーンをやるなら、もちろんやりますし、自粛がいいならそうします。
実際、近隣の市町村では休んでいる旅館に直接支援金を出している例もあります。
どちらでもあわせらますので、行政は旗色だけ明確にしてほしいです。」

それに対して、米沢市からの回答は明確でした。

「米沢市としては、攻めです。しっかり感染対策やったうえでキャンペーンをやりましょう。」

ここで潮目が変わりました。
本音をいうと、状況的に守りが妥当と思っていたので秒で返されて驚きました。

「なせばなる」は決して大昔のキャッチコピーではなく、現在も米沢の精神的支柱であり、具体的行動に繋がる原動力としみじみ思います。

そうがかりの龍

行政の立場になれば、守りの方が楽です。
感染のリスクがありませんから。

宿としては、休館。
行政は、宿に対して支援金。
でも、肉屋、魚屋、酒屋などの関連事業者との取引は生まれず、支援金は電気代など固定費に消えていきます。

イベントは中止のほうが楽。
会合もやらないほうが楽。
コロナ禍では、守りが楽に決まっています。

でも、私は知っています。
昨年の秋ごろ、関東のお客様を日本中で山ほど受け入れしていることを。
宿泊施設を介してクラスターになった事例は、一件もありません。
油断してはいけませんが、そう簡単にクラスタにならない証拠といえます。
一見リスキーな攻めですが、ちゃんとしていれば問題なく受け入れできます。

そして、攻めには大きな違いがありあます。

支援金は、予算1,000万円に対して1,000万円が複数の宿泊施設に入るだけ。
電気代などの固定費の支払いに消えます。

キャンペーンなら、予算1000万円+旅行者の支払う1000万円の2,000万円が動き、宿泊施設を経由し、肉や魚など関連事業者への仕入れに使われます。

何より、税収が変わります。←ここ大事

経済が回るというのは、旅館経由で地域の他業種に届くエリア的な面とともに、税収として翌年の予算になる時間的な面もあります。

守りばかりでは税収がなく、翌年新たな政策や支援のための予算が組めないという「負のスパイラル」に陥ります
当然ですが、国や県も同様です。

なので、できることならキャンペーンはした方がいい…のですが、米沢特有の事情もあります。
米沢市は中小規模の宿泊施設しかないので、お店を開けた方がいいですが、大規模な施設の場合には、開けない方がいいという場合もあります。

コロナ禍で観光を支えるための3ステップ

コロナ禍で地域の観光を支える3ステップを考えてみました。

行政とタッグを組む

コロナ禍は、大飢饉のようなもの。
旅館一軒でどんなに頑張っても立ち向かえません。
官民一体で乗り切るしかありません。

米沢で市と宿泊事業者との劇的な関係変化があったのは、東日本大震災でした。

米沢にあった8つの温泉が、温泉米沢八湯会として一つにまとまり、行政との窓口になり、危機対応しました。
この10年間の積み重ねがあって、今キャンペーンとして実を結んでいます。

やるなら、今。
つまり、危機の時こそチャンスです。

国や県という広域では、事業者の事情が違うのでちょうどいい政策にならないもの。
市町村と話し合える業界団体を作り、しっかり関係を築きましょう。

仕組みを考える

米沢では、キャンペーンの仕組みは行政からトップダウンで降ってくるのではなく、企画の段階からしっかり話し合いをしています。
そして、第1弾で使い勝手の悪かったところは、第2弾で修正するなど、細かな要望に応じていただいております。

一度、型が決まれば、その後も「この前のあれね」とやりやすくなります。

予算化してもらう

ここは、お願いするしかありません。
が、予算があっても実にならない政策もありえますから仕組みも大事、そのための関係性も大事となります。

以上、コロナ禍で憎まれっ子の観光業ですから、あまり内情を書くと怒られそうですが、ここで生き残れば10年分の進化になると思って、しっかり乗り切っていきましょう。

 

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