落語「品川心中」から旅館を考える。自動思考の危険性
この記事は8分ぐらいで読めます♪読み応え十分!どうぞお付き合いください^^
落語は現代にも通ずる
落語大好き!
落語を旅館と結びつけたい…
鈴の宿 登府屋旅館の遠藤直人です。
ソーシャルメディアは、どこで誰が見ているのかわかりません。
いい意味で。
先日の記事
この記事で、「落語好きなみなさんぜひつながりましょう!」と書いてみたところ…。
なんと…
地球の反対側。
カナディアンロッキーの麓からご連絡いただきました。
カナディアンロッキーでツアーをしている田中さん。
私のブログをご覧いただいていました。
ありがとうございます!!
こうやって、つながれるのはキセキですね。
ソーシャルメディアがなければない出会い。
「好き」を発信すると、意外なところでつながるもんですね。^^
さて、今日は、私が好きな落語について、旅館ネタを絡めて解説してみたいと思います。
立川談四楼師匠の「品川心中」を観て
先日、お江戸日本橋亭で人生初の寄席を体験しました。
立川流の生の落語を堪能しました。
今日は、その時に聞いた「品川心中」について、旅館的目線で考えてみたいと思います。
演じてくださったのは、大ベテランの立川談四楼師匠です。
ネタバレしない程度にスジをお話ししますと…
品川にある白木屋という遊郭が舞台。
わかりやすく、現代風にキャバクラだと思ってください。このキャバクラで長年働く「お染」という女郎の話。
板頭(いたがしら)といわれる筆頭格のお染。要は、お店のナンバー1です。
古株で長年やってきたものの、けっこうお年を召しました。そのせいか、次第にな常連客も減ってきました。
業界には定期的に「紋日」という、衣装やらなにやらをガラッと新調するイベントがあります。
このお金を常連客が出してあげるのがしきたり。ところが、常連客が離れた「お染」には、用立ててくれそうな客が見当たらない。
客が減って、お金が工面できず、「紋日」を迎えられないくらいなら、いっそ死んでしまおうかと考えます。
ただ、一人で死ぬよりは、男と二人の方が、「心中」として浮名が立ち、世間体もいい。
そこで、適当な道連れはいないかと「なじみ帳」を調べると、目に止まったのが神田の貸本屋の金蔵(きんぞう)。
独り者だし馬鹿で大食らいで助平で欲張り。
あんな奴ァ殺した方が世のためと、「これにきーめた」。勝手に心中相手にして、物語は始まっていきます…。
お染に通じる旅館経営者の感覚
このお話で感覚的にスゴイと思うのは…
「紋日を迎えられないくらいなら、死んでしまおう!」と考えるお染の感覚。
みじめな生を選ぶくらいなら、死中に生あり!と言わんばかり。
「お金が工面できないから死ぬしかない!」なんて、落語だから、そういう人もいるのかもね…。
命に対して軽すぎるのは、フィクションだからと考えてしまいますが、実は、ここが現代にも通じるところです。
生々しい話ではありますが、旅館経営者と話しているとたまに聞く話です。
「資金繰りに行きづまり、自殺も考えた…」
実際には踏みとどまる人が多いですが、「自殺」「失踪」など、頭をよぎることは経営者ならあるのかもしれません。
状況は人それぞれだとは思いますが、共通するキーワードは「責任感」と「自動思考」です。
きっとお染も旅館の経営者も責任感が強い。
常連客が減る → 紋日を迎えられない → → → 自分の責任
売上が減る → 資金繰りに行きづまる → → → 自分の責任
売上が減るのは、もしかしたら、景気が悪いのかもしれないし、設備がそぐわないのかもしれない、スタッフ教育が行きとどいていないのかもしれない、などいろんなことがあるかもしれませんが、すべて自分の責任。
会社=自分ととらえ、自分のすべてが社会に否定されている感覚もあいまって、すべて自分の責任。
もしかしたら、その人のせいではないかもしれないんですがね。
そういう責任感なんだから、仕方がない。
そして、「だから、死ぬしかない」という自動思考。
別に死ななくても、いろんな方法があります。
法的に処理することもできますし、ちょっと考えれば、会社はともかく、命を残すことはできるはず。
でも、自動思考だから「ちょっと考える」ができないんですよね。
この落語を見ていると、「おいおい、たったそれだけのことで、いきなり死ぬんかい!」って思いますが、経営者は同じツッコミを自分自身に入れたほうがいいんです。
そんなことも思いつつ楽しんだ、「品川心中」でした。
気になる方は、コチラの動画をどうぞ。
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