旅館ブログ

飯坂温泉で見た温泉むすめファンならではの現象

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完全に聖地と化した飯坂温泉

聖地巡礼。

3世代でもラクラクのバリアフリー旅、
そして家族で落語を楽しんでほしい…
鈴の宿 登府屋旅館の 遠藤直人(@naaot)です。

日本には、3,000近い温泉地があります。
温泉地には、それぞれ特徴があり、ファンがいます。

秘湯ファン。
温泉街ファン。
繁華街ファン。
源泉かけ流しファン。
グルメファン。

様々な切り口があるなか、「温泉むすめ」のファンには、いくつか有名な聖地があります。

そのひとつが、福島市の飯坂温泉です。

「飯坂を大洗のように」という合言葉で温泉地をあげて「温泉むすめ」に取り組んでいます。
大洗とは、茨城県の大洗市で「ガールズアンドパンツァー」というアニメの聖地として、町をあげて賑わっています。

そんな飯坂温泉の皆さんと先日、お話ししてきました。

飯坂温泉の皆さんと

温泉むすめでのトークが尽きない。
それは想定していました。

驚いたのは、ファンとの関係性です。

旅館やお店など、温泉街の様々な方が「〇〇さん」というファンの名前をみんな知っているという。
もちろん、お顔もわかるという。

普通、ありえないことです。

「うちのお客様で鈴木さまという方がいらしてね。」という話はしますが、それはそのお店のお客様であり、その名前を出して他のお店の人が「あー、あの鈴木さんね」とはなりません。

温泉街のみんながわかる。

ありそうで、なかなかないです。
地元で有名な社長や先生なら別ですが、一般の他県のお客様でこうなることはありえません。

ファンがもたらす温泉むすめならではの現象

温泉むすめの取り組みでは、ずっと先をいっている飯坂温泉。
多くのファンが訪れています。

ただ、ファンが訪れればこうなるかというと、そうはならないと思います。

そこには、温泉むすめに取り組んだお店とファンならではの現象があります。

お店で会話している

たいていのお店では「これください。」「いくらです。」「ありがとうございました。」という会話(?)がなされ、多少の日常会話もしますが、あまり深くは話しません。

それが、「お買い物」という一般的な行為であり、スマートな形で悪いわけでもありません。

ところが、温泉むすめのファンとお店の方は、よく話します。
「真尋ちゃん、かわいい」という価値の共有から、「よそではこんな取り組みも」という情報提供、「がんばってください」という応援まで、様々お話になっているそうです。

温泉街を回遊している

温泉むすめグッズが、1施設1アイテムなのでですが、みなさんグッズを集めるため温泉街を回遊します。
ありそうであまりない仕組みです。

経営の定石としては、自分のお店の滞在時間をいかに長くするかが大事です。
ということは、いかによそに行かせないか、となるわけですが、温泉むすめは自然と他のお店も回って、温泉街全体の方に会うことになります。

ツイッターでやりとりしている

これが一番大きい。

温泉むすめファンは、ツイッターでやりとりしてます。
新しいグッズが出たら、「ほしい!」、そしてスケジュールの表明「週末にいく!」、さらに報告で「行ってきた!」、最後に感想で「こうだった」と様々な投稿があります。

それに対して、お店の方が返事をしたり、リツイートをしたりしているうちにお店の方がファンの名前と顔を覚えてしまうという。
なかなかできないことです。

SNS時代だからできる新たな関係性の築き方。

飯坂温泉と温泉むすめ、今後も目が離せませんね。

著者情報

1976年、山形県米沢市生まれ。福島大学経済学部を卒業後、㈱旭テック(現・旭ブレインズ)に勤務。その後、オーストラリアでの1年間の放浪生活、那須温泉・山水閣での研修を経て、2004年、鈴の宿 登府屋旅館にUターン。宿の仕事のかたわら、小野川温泉のまちづくりに注力していた2011年、東日本大震災を経験。震災後は、米沢の温泉旅館の連携を模索。1か月後には、「温泉米沢八湯会」を組織化し、義援金を集め、プランを作り、新たな切り口で米沢の価値を高めている。2013年、代表取締役への就任を機に「車いすでも安心して過ごせる宿」を目指す。「お客さまは、旅館ではなく旅行に来ている」という発想から『車いすで米沢を旅する本』を編纂。車いすでも安心して旅できる地域づくりを行っている。また、宿の宴会場では、不定期で自主セミナーを開催。講演テーマは、「リピーターを生み続ける仕組みづくり」「小野川温泉・米沢八湯のまちづくり」「補助金・マスコミ・ソーシャルメディア活用法」「燃料は、捨てる温泉熱!ヒートポンプで灯油ゼロ」など。自身の経験を公開しながら、他地域からの視察も積極的に受け入れている。