旅館ブログ

小野川温泉の街なみの礎。倉橋セミナー in 小野川温泉

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倉橋セミナー in 小野川温泉

三軒合同のセミナーでした。

3世代でもラクラクのバリアフリー旅、
そして家族で落語を楽しんでほしい…
鈴の宿 登府屋旅館の 遠藤直人(@naaot)です。

倉橋セミナーが、小野川温泉で開催されました。
倉橋セミナーとは、倉橋建築計画事務所が主催するセミナーで、これまで手がけたリフォームを図面などを元に表も裏も解説するセミナーです。

リフォームを考える旅館経営者は、まずここから学んでほしいというお話を現場を見ながら体感できます。

会場は、河鹿荘さんでした

実は、小野川温泉には、倉橋建築計画事務所が手がけた宿が3軒あります。
河鹿荘さん、亀屋万年閣さん、そして当館です。

この3軒のリフォームを図面を見ながら、実際の現場も見るという画期的なセミナーとなりました。

亀屋万年閣さんの新しいお部屋

河鹿荘さんの会食場

小野川温泉の街なみを描いた倉橋英太郎先生

残念ながら、他界されてしまいましたが、倉橋英太郎先生は、何度も小野川温泉を訪れてくださいました。
そして、小野川温泉の街なみを「こうすればいいよ」というアドバイスをくださいました。

誰にでもわかるイラストでのアドバイス

もっとたくさん見たい方は、下のリンクからご覧ください。
倉橋先生が描いた小野川温泉の景観ラフ

その後、小野川温泉には、「景観ガイドブック」という景観を直す際の基準となるルールブックができ、米沢市の景観形成重点地区に選ばれました。
この指定により、ルールブックに則った改装には最大で60万円の補助が出るようになりました。

「景観をよくしたい!」
どこの観光地でも切に願いますが、それぞれの企業によって自由な部分もあり、誰かが統一するのは難しいものです。

小野川温泉では、先生のアイデアを元にルールブックがあるために、ゆっくりですが、整った街なみへの流れができてきています。

伝説の建築家・倉橋英太郎先生を偲んで

今回は、そんな街なみも見ながらのセミナーとなりました。

小野川温泉の町歩き

手がけた宿のビフォーアフターがズラリ

参加者は、ほとんどが旅館の経営者

セミナーでは、河鹿荘の佐藤雄二社長からリフォーム前後の具体的な経営数値の変化のお話、小宮山所長からはリフォームを成功させるコツ、私からはバリアフリー改装のコツをお話させていただきました。

懇親会は河鹿荘さんで

景観づくりは、ゆるやかな共通認識から

今はもう倉橋先生のお考えを聞くことはできなくなりましたが、聞けるのならあの絵の詳細について、お考えをお聞きしたいものです。

どうして屋根は茶色のなのか?
どの程度の茶色までいいのか?
歩道の素材は何がいいのか?

絵はわかりやすいがゆえに、その背景にある考え方や理由をもっとお聞きしたかったです。

同じ地域で商売をしているとはいえ、別の企業。
なかなか同じような意識になることは難しいものです。
景観の統一ととるか、隣と同じで埋没するととるか。

そんな難しい課題だからこそ、ゆるやかな基準が必要なのでしょう。
「絶対にこの色!」ではなく「ある程度、こんな色。いくらなんでも赤はないよね。」
そのくらいのゆるい共通認識があれば、リフォームの時にも配慮できます。

小野川温泉の景観づくりは、まだまだまだですが、この共通認識があることは大きいです。
じっくり時間をかけながら、より良い小野川温泉にしていきたいと思います。

セミナーにお越しいただいた皆様、ありがとうございました。

最後にあの番組の匠でもあった倉橋先生の動画をどうぞ。

著者情報

1976年、山形県米沢市生まれ。福島大学経済学部を卒業後、㈱旭テック(現・旭ブレインズ)に勤務。その後、オーストラリアでの1年間の放浪生活、那須温泉・山水閣での研修を経て、2004年、鈴の宿 登府屋旅館にUターン。宿の仕事のかたわら、小野川温泉のまちづくりに注力していた2011年、東日本大震災を経験。震災後は、米沢の温泉旅館の連携を模索。1か月後には、「温泉米沢八湯会」を組織化し、義援金を集め、プランを作り、新たな切り口で米沢の価値を高めている。2013年、代表取締役への就任を機に「車いすでも安心して過ごせる宿」を目指す。「お客さまは、旅館ではなく旅行に来ている」という発想から『車いすで米沢を旅する本』を編纂。車いすでも安心して旅できる地域づくりを行っている。また、宿の宴会場では、不定期で自主セミナーを開催。講演テーマは、「リピーターを生み続ける仕組みづくり」「小野川温泉・米沢八湯のまちづくり」「補助金・マスコミ・ソーシャルメディア活用法」「燃料は、捨てる温泉熱!ヒートポンプで灯油ゼロ」など。自身の経験を公開しながら、他地域からの視察も積極的に受け入れている。