旅館ブログ

貸切風呂を作りたい。いつやるの?

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かなり定着してきた「バリアフリーの宿」

いつやるんでしょ?!

3世代でもラクラクのバリアフリー旅、
そして家族で落語を楽しんでほしい…
鈴の宿 登府屋旅館の 遠藤直人(@naaot)です。

「車いすでもラクラクの宿」。

私がこの言葉に想いを託したのは、2014年のことです。
畳に布団だった特別室を「バリアフリー特別室」に改装しました。

当時は、今ほどバリアフリーの機運が高まっておらず、改装しながらも「果たしてこの部屋は使ってもらえるんだろうか?」「本当に車いすの方が旅に出るのだろうか?」「改装したけど、誰も泊まらなかったらどうしよう…。」という不安が常にありました。

私の不安とは裏腹に「車いすでも泊まれる宿」は望まれていました。
「バリアフリー」という定義や表記が曖昧で、「車いすでも大丈夫」という宿は、東北には数えるほどしかなく、お客様からすれば選択肢どころか、遠すぎて行けるかどうかも難しい状態だったからです。

当時の思いをまとめたのが、この動画。

旅をあきらめないでください

私自身が旅をあきらめた経験から作ってみました。

実際、まだまだ旅をあきらめている方は多いと思います。
特に、温泉での宿泊となると、滞在時間も長いし、入浴や食事、就寝とやることもいっぱいあります。

「もしかしたら、あれがダメかも…。」
と不安になって、旅行ができない方はまだまだいらっしゃると思います。

そんな中、様々な形でお知らせして、ようやく最近は、「登府屋=バリアフリー=車いすでも大丈夫」が定着してきました。
バリアフリー特別室も、一番最初に予約が入るほどになりました。

定着したからの悩み「貸切風呂」

おかげさまで、今では、数多くの車いすのお客様がいらっしゃるようになりました。

なかなか温泉に入る機会がなく、念願の温泉で「よかったね!おばあちゃん!」とお声をかけたれている様子などは、こちらが感動してしまうほど。
それだけ、選択肢どころか、あきらめざるを得ない状況だったのでしょう。

ただ、一つ大きな問題がありました。

それが、「温泉」です。
温泉旅館にいって一番の楽しみといえば温泉です。

大浴場

スロープと手すり

当館のお風呂は、「大浴場」と「露天風呂」が男女で1つずつ。
「貸切風呂」はありません。

お風呂用の車いすはありますが、湯船は床面の高さ。
ですから、湯船の前で車いすを降りて立ち上がり、床面に腰を下ろさねばなりません。

入った後も、一度立ち上がり、車いすに腰かけなければなりません。

これが、厳しいのです。
そして、貸切ではないので他のお客様もいらっしゃいます。

ご夫婦の場合には、男女別の湯船なので介助はヘルパーさんにお願いしたりしなければなりません。
もしくは、他のお客様に影響のない時間帯にご入浴いただいたりしてきました。

できる範囲でバリアフリーにして、足りない部分はソフトでカバーしてきましたが、バリアフリーが定着するにつれ、そろそろ限界にきているようです。

お客様には、我慢していただきながらの入浴でした。

これをなんとかしたい!
なんとかして貸切風呂を作りたい!

と思って、いろいろとやってきましたが、「陸王」の冒頭のような状態で銀行の融資も簡単にはいただけませんでした。

いつやるの?どうやるの?できるでしょ!

それでもやっぱり作りたい!
というわけでクラウドファウンディングに手をあげます。

果たして、どこまでいけるのか?
やってみないと、わかりません。

でも、今の時代、せっかくあるチャンスですから挑戦してみたいと思います。

現在、審査を通って、詳細を作り込んでいるところです。
思っていたよりも細かいし、担当の方とのコミュニケーションも密です。

こんな裏側を体験できるのも挑戦の価値です。

近々、スタートします。

自分の力でどこまでできるかわかりませんが、いっしょに貸切風呂を作ってくださる方を募りながら、みんなの貸切風呂を作りたいと思います。

まずは、そんな決意表明のような今日この頃です。^^

著者情報

1976年、山形県米沢市生まれ。福島大学経済学部を卒業後、㈱旭テック(現・旭ブレインズ)に勤務。その後、オーストラリアでの1年間の放浪生活、那須温泉・山水閣での研修を経て、2004年、鈴の宿 登府屋旅館にUターン。宿の仕事のかたわら、小野川温泉のまちづくりに注力していた2011年、東日本大震災を経験。震災後は、米沢の温泉旅館の連携を模索。1か月後には、「温泉米沢八湯会」を組織化し、義援金を集め、プランを作り、新たな切り口で米沢の価値を高めている。2013年、代表取締役への就任を機に「車いすでも安心して過ごせる宿」を目指す。「お客さまは、旅館ではなく旅行に来ている」という発想から『車いすで米沢を旅する本』を編纂。車いすでも安心して旅できる地域づくりを行っている。また、宿の宴会場では、不定期で自主セミナーを開催。講演テーマは、「リピーターを生み続ける仕組みづくり」「小野川温泉・米沢八湯のまちづくり」「補助金・マスコミ・ソーシャルメディア活用法」「燃料は、捨てる温泉熱!ヒートポンプで灯油ゼロ」など。自身の経験を公開しながら、他地域からの視察も積極的に受け入れている。