旅館ブログ

なんのために旅館をしているの?そんなの決まってんじゃん…

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なんのために仕事をしているのか?

お客さま向けではなく、あとつぎ向け…。

3世代でもラクラクのバリアフリー旅、
そして家族で落語を楽しんでほしい…
鈴の宿 登府屋旅館の 遠藤直人(@naaot)です。

「なんのために仕事をしているのか?」

建前の答えもあれば、本音もあると思います。
今と違い、宿に帰ったばかりのころは、こう思っていました。

「そんなの決まってんじゃん。借金返すため。」

お札

※体験者の記憶をもとに再現しています

建前では言いませんが、深層心理ではそう思っていたでしょう。

旅館は、どこかでズドーンと借金をするスタイルがほとんどです。
しないパターンは珍しいほど。

旅館業界の名言。
「旅館なら借金なんて、あって当たり前」。

普通はどう思うか知りませんが、旅館の人は、「だよね、当たり前だよね!」と言ってくれると思います。

うちの場合は、私が大学受験のころにズドーンと宿を直しました。
全面新築。

さら地からのズドーンです。

そのまま、学校に行き、社会人になり、勤めていた20代のなかごろ…。
祖父が亡くなりました。

そしたら、家族からお願いされました。
「1人分、借金の保証人が足りない。」

ということで、私は、よその会社に勤めたまま、ハンコを押しました。
押したからといって、なんの変化もなく、日々を普通に過ごしていました。

宿は宿で普通に営業していました。

そして、私が実家に帰ってきたあと、改めて借金の存在を思い出します。

借金といっても消費者金融ではないので、経営が厳しければ「待った」をしたり、いろいろ面倒見てもらえます。
ただ、「待った」をすれば、当然返す時期は遅くなります。

そこでまた借りると「雪だるま式」というのでしょうが、「待った」だけなら冷凍保存。
減らないまでも増えもしません。

こうなると思考が借金側にいっちゃうんですよね。

夏休みの宿題が終わらないまま、明日から始業式!の心境。

割り算して、「そうだよ!1日50ページやればいいんじゃないか!それだけじゃん」と言ってみたり。

現実は50ページも進まないわけで…。

そして、思考が、借金 → 利益 → 売上 → お金みたいになります。

これ危険です。

さらに恐ろしいのは、

「うちの会社はダメだ。」
「親がダメだ。」
「自分がダメだ。」

という思考に陥っていくこと。

なにもダメじゃないんです。

事実は、ただ借金があるだけなんです。

だれもなにもダメじゃない。

そこに山があったら登ればいいだけ。
登れなかったらあきらめればいいだけ。

それだけなんですが、どうも違うところに原因を求めてしまう。

こんな縛りに知らず知らずのうちにとらわれだしたら、一度リセットが必要です。

数字捨てましょ。だ
そして、楽しいことを考えましょう。

「書を捨てよ、街へ出よう」です。

借金の額は一切変わりませんが、心境の変化でとらえ方が変わるかもしれません。

そしたら、冒頭の「なんのために仕事しているの?」の答えも変わってくるかもしれません。

今は、
「負債額-返済額=?」
よりも
「バリアフリー+落語+旅館=?」
を考えるようになりました。

エクスマのおかげですね。もし心当たりのあとつぎの方がいらっしゃいましたら、深呼吸してひとことこうつぶやいてください。

「ちょ、待てよ!」

なにも起こりませんが、何か変わるかもしれません。^^

著者情報

1976年、山形県米沢市生まれ。福島大学経済学部を卒業後、㈱旭テック(現・旭ブレインズ)に勤務。その後、オーストラリアでの1年間の放浪生活、那須温泉・山水閣での研修を経て、2004年、鈴の宿 登府屋旅館にUターン。宿の仕事のかたわら、小野川温泉のまちづくりに注力していた2011年、東日本大震災を経験。震災後は、米沢の温泉旅館の連携を模索。1か月後には、「温泉米沢八湯会」を組織化し、義援金を集め、プランを作り、新たな切り口で米沢の価値を高めている。2013年、代表取締役への就任を機に「車いすでも安心して過ごせる宿」を目指す。「お客さまは、旅館ではなく旅行に来ている」という発想から『車いすで米沢を旅する本』を編纂。車いすでも安心して旅できる地域づくりを行っている。また、宿の宴会場では、不定期で自主セミナーを開催。講演テーマは、「リピーターを生み続ける仕組みづくり」「小野川温泉・米沢八湯のまちづくり」「補助金・マスコミ・ソーシャルメディア活用法」「燃料は、捨てる温泉熱!ヒートポンプで灯油ゼロ」など。自身の経験を公開しながら、他地域からの視察も積極的に受け入れている。