バリアフリーの宿と観光地をいかにして育てるか?

この記事は7分ぐらいで読めます♪読み応え十分!どうぞお付き合いください^^

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インタビューに答えたこと

増えていくんでしょうけど、どう増やすかが大事。

3世代でもラクラクのバリアフリー旅、
そして家族で落語を楽しんでほしい…
鈴の宿 登府屋旅館の 遠藤直人(@naaot)です。

今日は、とある方からバリアフリーの話題でインタビューを受けまして、改めていろんなことを整理する機会になったのでブログにも書いておきます。

バリアフリーの宿を増やすには?

行政関係の方でしたので、「今後のユニバーサルツーリズムをどう広げ、どう続けていくか?」がテーマでした。

行政としてできることは旗振りですが、旗の振り方がなかなか難しいのがバリアフリー。

「人にやさしい宿にするべくバリアフリーにしましょう」というのは、アウトです。
「みんなするべき」という「バリアフリー=善」という広め方は、大変危険です。
そもそも日本建築は段差にも意味があり、宿ごとにも事情があります。

相手の事情も考えつつ、どうやって受け入れ宿を増やせるか?を考えないといけません。
そのヒントは、「バリアフリーは、イエスかノー」ではないということ。

単純すぎて逆に危険な「バリアフリー」という言葉

バリアフリー=段差をなくすことと思われがちですが、実際には、様々なバリアがあります。
車椅子ユーザー向けもあれば、聴覚障がい者向け、視覚障がい者向け、乳がん経験者向けなど、様々。
もう人それぞれと言っていいくらい。

ですから、その対応方法も様々。
1つの宿ですべて対応するのは、不可能です。

バリアフリーか否かではないのです。
イエス・ノーではなく、100項目くらいの質問にそれぞれ○×△がつく感じ。

だから、まず様々な項目を知る。
そして、対応できる範囲が必ずありますから、そこから始めてもらうこと。

例えば、筆談セットがある、とか。外出時に車いす貸し出すとか。簡易ベッドで和室でもベッドにできるとか。座卓の代わりにテーブルセットと交換できるとか。

簡単なところで○がつくようにして、その対応でも大丈夫なお客様とマッチングできれば、全ての宿が「ある程度バリアフリー」。この「ある程度バリアフリー」を私は「バリアフィット」と言っていますが、フィットできるところとできないところが明確になるのが大事。そして、知らせていく。知れば、行けるかどうかわかり、成立する旅行が増えます。

昔、「観光カリスマ100選」として国土交通省が、観光まちづくりの先進地区とリーダーを認定し、施設受け入れや、講演をやっていましたが、同様に現場の人に語らせ、具体的なケースを知って、具体的な行動に変えてもらうのもいい刺激になると思います。

地域をユニバーサルにするには?

地域となると話はまた変わります。

まず、行政でしたら、「パブリック部分のバリアフリー化」があります。

道路や歩道の段差、階段が一番に思いつきますが、道路よりも課題は「トイレ」です。
道路はなんとかなりますが、トイレは、待ったなしです。

観光地なのに、バリアフリーのトイレがない。
車いすでたどりつけないどころか、「和式」の講習トイレっていまだにあります。

オリンピックやパラリンピックのレガシーとして、豪華な競技場よりも「公衆トイレのバリアフリー化」を全国でするのがいい。すべてでなくても、観光地に近い場所だけでも。

そして、地域を変えるなら「協議会」づくり

お客様は、旅館に行くのではなく、旅行に行くわけで…。
旅館、タクシー会社、バス会社、観光施設、レンタカー会社、レストラン、ラーメン屋、定食屋、おみやげ物屋など、ひととおりの旅のパーツがバリアフリーでないと、旅として成立できません。

ですから、「バリアフリーやってもいいよ」っていう会社が集まって、協議会を作る。
広告やパンフレット作りもその単位が効率的です。

経験値を高めるには?

最後にあるのが、実際に来ていただき、満足していただくものにするには?

これが一番難しい反面、クリアできれば、経験値も高まり、自信を持った受け入れができるようになります。

モデルツアーがいいと思います。
例えば、「米沢駅 → タクシー → 観光施設 → 旅館 。翌朝、旅館 → 観光施設 → レストラン → 駅」。
というモデルツアーを実施し、動画つきで紹介。
経験値が高まり、課題も見えてくる。

今日は、ざっくりそんなお話をしました。
うちの宿がどんなにバリアフリーになっても、観光は一つの宿では成立しませんから。

高齢社会の日本にとって、この分野は、まだまだノビシロのある貴重な宝箱です。^^

 

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