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どうしても気になる?宿のクチコミ点数の本当の意味

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クチコミの点数

クチコミ、気にする派?気にしない派?

昨日に引き続き、業界ウラ話シリーズ。

こんにちは。

ウラ話ほど筆が進む…
鈴の宿 登府屋旅館の遠藤直人です。

今日は、クチコミの点数について。

最近、楽天トラベルでのクチコミが高いんです。
正直、戸惑うくらい高い。^^;

 

クチコミの点数

山形県の旅館で2位!

 

ビックリしています。
なにも変わったことしてないのに…。

なぜか2位。

もちろん、うれしいし、光栄です。
今日は、この点数の持つ意味について…。

 

宿にとってのクチコミとは?

宿にとってのクチコミとは、お客さまからの評価です。

上がれば、うれしい。
下がれば、悲しい。

一喜一憂してしまいがち。

でも、おそらく、本当に持つ意味とは…
「売上が上がる数字」です。

点数が高いと、予約が入りやすくなるのは確かです。
また、じゃらんでは、「クチコミ点数4.5以上の宿」という特集があります。

そういう特集に入れるようになると、これまた売上にはねかえります。

ちなみに、うちのじゃらんのクチコミが、今「4.5」です。
山形県内ですと、48軒が、この特集に入っています。

宿にとっては、一喜一憂どころでなく、実は、売上直結の数字なんです。
だから、高いに越したことはない。

でも、あまり高くて、事前期待があがるのもプレッシャー。^^;
わたしは、そう思ってます。

宿にとっては、ですね。

 

旅行会社にとってのクチコミとは?

旅行会社さんにとっては、お客様の満足を測る数値になります。

でも、おそらく、そちらの意味より、こちらの方が意味を持っています。

クチコミとは、「宿を競わせる数字」です。

やさしい言い方なら、「比べるための数字」です。

旅館の感想という数値化しにくいものを、なんとか数値化し、数ある旅館を数字で把握する。
それが、クチコミの数値。

数値化することで比べられるようになり、公開することで他の宿が見て、刺激になる。
結果、競わせるきっかけになる。

わたしは他の宿の数値なんか気にしませんが、他の宿の数値を気にしている「競いたがり」の経営者、けっこういます。

そこで1点勝ったからって、「なんなんだろう?」と思います。
本当になにか意味あるのか?と。

同じ人が同一条件で回答しているわけではありませんからね。

宿にとっての意味より、旅行会社にとっての意味の方がある数字です。

旅行会社なら、「A旅館はクチコミ4、B旅館は3ですね。」とお客さまに案内できます。

現場で実際に比べられない人でも比べられる。
それなら、まだ意味があると思います。 

 

お客さまにとってのクチコミとは?

満足の尺度…、ではないですよね。

賢明な方なら、気づいていると思いますが、クチコミが高いところに行けば、必ずしも満足するわけではありません。
確率的には、はずれない…かもしれない、くらいの意味

例えば、ビジネス客に人気の旅館があるとします。
1泊朝食付きのプランが好評。

宿泊する方の9割がビジネスマン。
出張でこのプランを使う。

そして、評価が高いのでクチコミは、「4.9」。

この「4.9」を見て、宿を決定。
子ども連れの家族で1泊2食付で泊まりにいったら…。

必ずしも満足度が高いかは、わかりません。

自分たちとは違う境遇の人の評価が高いだけで、自分たちもそう感じるかはわかりません。

だから、確率的には、はずれない…かもしれない、くらいの意味

 

ただ、宿を決めるにあたり、ハッキリと自信を持てない。
家族に説明するのに「なんでそこ?」といわれたら?という事情もあると思います。

そんなときには、背中を押してくれる指標としては、いいんだと思います。

 

クチコミから、はみ出す価値があるか?がカギ

わたしとしては…
わたしとしては、ですよ。

クチコミの点数で宿を選んじゃダメです。笑

宿も、クチコミの点数をあげようとだけ考えていてはダメです。

それよりも、大事なのは…
クチコミの点数に表れていない価値があるか?

クチコミは、「料理」「客室」「風呂」「サービス」「清潔」などという要素で作られています。

いわば、「国語」「算数」「理科」「社会」の合計点。
「図工」や「音楽」は、入っていません。

もしかしたら、あなたの心に響く、あなたの今回の旅に必要なのは、「図工」かもしれません。
そこが、出ていない。

具体的には、うちでいえば、「バリアフリー」とか「車いすでもラクラク」とかは、数値「4.5」ではわからないんです。

だから、点数ばかりを追いかけず、この宿の点数にならない価値はなにか?を気にするといいです。

その方が、あなたの旅にピッタリの宿に出会えるはず。
クチコミの点数は、あなたの旅には大した役に立たないもんです。笑

なーんてね。^^

著者情報

1976年、山形県米沢市生まれ。福島大学経済学部を卒業後、㈱旭テック(現・旭ブレインズ)に勤務。その後、オーストラリアでの1年間の放浪生活、那須温泉・山水閣での研修を経て、2004年、鈴の宿 登府屋旅館にUターン。宿の仕事のかたわら、小野川温泉のまちづくりに注力していた2011年、東日本大震災を経験。震災後は、米沢の温泉旅館の連携を模索。1か月後には、「温泉米沢八湯会」を組織化し、義援金を集め、プランを作り、新たな切り口で米沢の価値を高めている。2013年、代表取締役への就任を機に「車いすでも安心して過ごせる宿」を目指す。「お客さまは、旅館ではなく旅行に来ている」という発想から『車いすで米沢を旅する本』を編纂。車いすでも安心して旅できる地域づくりを行っている。また、宿の宴会場では、不定期で自主セミナーを開催。講演テーマは、「リピーターを生み続ける仕組みづくり」「小野川温泉・米沢八湯のまちづくり」「補助金・マスコミ・ソーシャルメディア活用法」「燃料は、捨てる温泉熱!ヒートポンプで灯油ゼロ」など。自身の経験を公開しながら、他地域からの視察も積極的に受け入れている。