被災していない宿のみなさまへ。それでも今できる3つのこと

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熊本地震で被災されたみなさまにお見舞い申し上げます

鈴の宿 登府屋旅館の 遠藤直人(@naaot)です。

熊本での地震に被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。

全国の旅館に多大なる影響を与え、小野川温泉としても、私自身としても何度も伺い、たくさん学ばせていただいた黒川温泉と湯布院温泉。
熊本県と大分県、九州の温泉地。

旅館や観光業の友人も多くおります。
一日も早く落ち着き、安心と安全な生活ができることをお祈りしております。

テレビを見ていると、あの頃を思い出します。

2011年の3月。
東日本大震災の直後の気持ちが蘇ります。

あの頃のことを思い出しながら、米沢という直接の被害が少なかった地域ならではの経験を書きます。
何かのお役にたてば、幸いです。

今は、守りの時期

震災直後、余震が収まらず、緊急地震速報に身構える。
物資も足りず、ライフラインも整わない。

今、一番つらい時期をお過ごしと思います。

生命の安全と安定した衣食住が、一刻も早く確保されることを祈っております。
とにかくいろんなものが不足します。

不安に襲われることもあると思います。
でも、大丈夫です。

時間とともにモノは揃います。
地震が落ち着けば、あとは復旧あるのみです。

大変なご苦労も多いと思いますが、今はまずなんとか安全を確保してください。

山形からも医師や看護師など、救助のプロが被災地に向かいました。
全国からの支援が集まり、必ず時間とともに状況は好転し、潮目が変わるときが来ます。

 

直接の被害がなくても生まれる観光業特有の被害

東日本大震災の際、米沢は震度5強でした。

東日本大震災

東日本大震災の震度

しかし、ライフラインは止まらず、建物への被害も軽微でした。

にもかかわらず、観光業は多大な影響を受けました。

建物も無事、食材もなんとか手に入る。
それでも、多大な影響が出ます。

観光業は、「現地を訪れないと売り上げが発生しない」からです。

新幹線が止まっている。
高速道路も通れない。
ガソリンがない。

どんなに被災地支援の気持ちがあっても、現地を訪れることはできません。

さらに、旅館は予約制なので、近い将来が見えます。

電話が鳴れば、キャンセル。
3月、4月の予約は、瞬く間にゼロに。

被災地に対して、何もできない無力感と将来が全く見えない不安感。

今回も、周辺の旅館やホテルでは、同じお気持ちの方が多くいらっしゃると思います。
悔しい気持ちをお察しします。

 

周辺の宿だからできる3つのこと

厳しい状況でもできることはあります。
私たちも予約がゼロで仕事がないからこそできたことがありました。

希望まで捨てる必要はありません。

被災者を受け入れる

現地ではすでに動きがはじまり、被災者を受け入れるべく準備されていると思います。

被災者5000人受け入れ可能=熊本県内の旅館・ホテル

旅館は、巨大な施設です。
実は、ものすごいチカラを持っています。

たくさんの人が、雨風を凌ぎ、眠れます。
布団や毛布もたくさんあります。

たくさんの人が、お風呂に入れます。

たくさんの人の食事を作り、提供できます。

旅館は、最強の「衣食住生成装置」です。
このチカラを使わない手はありません。

被災者もそうですし、被災地支援の工事業者や医療関係者を受け入れるのも大切です。

すでに受け入れるべく、準備していますのでお困りの方はぜひお問合せください。
被災者5000人受け入れ可能=熊本県内の旅館・ホテル

 

さまざまな情報を表に出す

テレビは、常に最悪の情報のみを伝えます。

最も被害が出ている場所、一番動きがある場所。
それを伝えるのが使命だから、仕方ないです。

しかし、世のなかには、テレビに映らない場所の情報を欲している人もたくさんいます。

東日本大震災の時、被害が軽微だった米沢はテレビには映りませんでした。
遠方の方にとって、米沢の情報は皆無でした。

沖縄の見知らぬ方から私に状況を問い合わせるメールが届いたりしました。
なぜ、私あてだったかというとブログを書いていたからです。

ですから、被害が軽微な場所でもどんどん情報をアップしてください。
その情報を求めている人、それで安心できる人もいるのです。

あの時より、スマホが普及し、アプリの性能も向上しました。

・ツイッターで、街の様子をつぶやく

・道路の様子を動画で撮影し、ユーチューブにアップする

・フェイスブックで安否情報を伝える

今の映像は復旧後には貴重な記録にもなります。

「安全だ!」「大丈夫だ!」も立派な情報です。
ぜひどんどんあげてください。

 

次の展開を模索する

被害が軽微な地域だからこそ、次の一手がすぐに打てます。

国では予算をいち早く執行できるよう段取りをしているようです。

今後、行政の支援がきっとあります。
直接被害を受けた地域はもちろん、予約ゼロで観光が打撃を受けた地域もきっとあります。

そのときに向けて、準備をしてください。

次の展開を模索してください。

・行政の担当者と情報交換する。

・どんなことをしたいか、仲間と話し合う

・必要なら仲間と組織を作る

潮目が変わったときに動けるよう、次の展開を模索してください。

災害からの復旧、復興は、地域全体で取り組むべき課題です。

民間も行政もライバルもなく、すべての垣根を越えて、新たな地域の姿へ導いてください。

まだ、地震が落ち着かないなかで心配ですが、必ず潮目が変わります。
どうか希望を持って、がんばってください。

私たちも応援がカタチにできるよう、次の展開を模索します。

 

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