旅館ブログ

観光のクロフネ、動き出す。OTAが終わる日

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OTAが終わる日

もはや過去の常識は通用しません。

3世代でもラクラクのバリアフリー旅、
そして家族で落語を楽しんでほしい…
鈴の宿 登府屋旅館の 遠藤直人(@naaot)です。

日に日に便利になるスマホとアプリ。
グーグル・カレンダーがスゴい。

ネットの記事や動画を見て、旅行に行きたい宿を見つけたときにクリップできる。
普段は、クリップを貯めておいて、いざ旅行に行ける日ができたら、グーグルカレンダーを立ち上げる。

お気に入りの宿を押せば、宿の一覧とその日の空室状況がわかる。
プランを確認し、人数を入れて予約完了。

アマゾンのワンクリック並みの簡単さ。

お気に入りの宿は、自分で集められるだけでなく、プレイリストのように他人のお気に入りを見ることもできる。
例えば、マツコデラックスさんのお気に入りからの予約も可能。

旅行当日。

出発時刻には車体にグーグルとロゴの描かれた車「グーグルオート」がやってくる。
自動運転なので運転手はいない。
車に乗って、お気に入りの映画を見ながら、宿へと向かう。

自動運転の車は、レンタカーのようにサイズや形を旅の用途によって選べるし、送迎感覚で使えるので駐車場も必要ない。

スマホなんて操作できないお年寄りの旅にも大活躍です。
「娘が予約してくれたのよー。本当にうちの前まで来るのね。
これに乗れば、あとはお宿に着くんですってよ。」

最近では、グーグル以外で旅行を予約する気になれない。

・・・・・・

という妄想をしました。

あくまで妄想です。
でも、数年後に現実になっていそうな気がします。

グーグルの自動運転カー

グーグルには、グーグルマップもありますしね。
自動運転の車と組み合わせれば、もうタクシーも、電車もいらない。
二次交通の問題も一気に解決です。

グーグルからの電話

先日、宿に電話がかかってきました。

「まいど!Googleです。ちょっと教えてください。」

さすがに「まいど!」とは言いませんでしたが、けっこう砕けたテンションで、最初はニセモノかと思ったほどでした。

聞かれたのは、チェックインとチェックアウトの時刻、最終チェックインの時刻、駐車場、ペット連れは可能かなど、数項目。
ごくごく初歩的なものばかり。

楽天や、じゃらんに登録する際は、もっともっと細かく設定します。

こんな初歩的な項目で…と思いましたが、わざわざ電話してくるところに本気を感じました。
ついに、グーグルが動き出したか…と。

まずはペットが泊まれる宿情報を完璧にしてスタートするのかもしれません。
ユーザーのニーズもはっきりしているし、宿でも受け入れの白黒がはっきりしてますからね。

八百屋も魚屋も一瞬で葬った流通の怖さ

流通業界は、とても厳しい世界です。

昔、町内レベルで八百屋や魚屋、肉屋がありました。
歩いていける近所になじみの店があったものです。

それが、一瞬でなくなりました。
スーパーマーケットの登場です。

仕入れて売るスタイルの商売は、利便性の高い安売り店が出てくると一瞬で終わってしまいます

それでもコロッケが名物のお肉屋やお刺身ランチが食べられる魚屋など、頑張って生き残ったお店もあります。
仕入れて売るから、加工して売るへの脱皮です。

そして今や、仕入れて売るは、アマゾンや楽天市場の独壇場になっています。

JTBの赤字転落とOTAの採算悪化

今回の記事を書こうかと思って飛び込んできたのが、こちらのニュース。

JTB 過去最大の赤字

いろいろ事情はあるでしょうし、あえて一期で膿を出しきる決算かもしれませんから、なんとも言えませんが、赤字であるのは間違いない。

ネットへの対応の遅れもあるでしょう。
ただ、ネット対応は、間違いなく後塵を拝すでしょうから、今からはもう違う目線でやったほうがいい。

本音としては、JTBやJRなどの旅行会社は、ネット系の旅行会社とはまったく違う側面があります。
それは、「観光地を育てる意識」です。

単に「旅行の予約を受けて手数料をとる」だけでなく、「観光地とともに新たな魅力を作りながら発展してきた」パートナー的な側面があります。
しかし、苦労して魅力を磨いた観光地の予約をもっと安いネット系から予約されているのが現状です。
これまでは裏で黒子に徹してきましたから、魅力づくりをしてきたとはお客様はご存知ないでしょう。

ただ、時代は変わっています。
これまで通りの「料理・風呂・部屋」の三種の神器の写真を集めて編集して店頭に並べるだけの商売はもう厳しいと思います。
それが、ネット上になっただけでも、厳しい。

今やOTAでも厳しい時代。

OTAとは、爆笑問題のボケ担当ではなく、ネット系の旅行会社のことです。

ネット系の旅行会社は、価格比較サイトに載せています。
料金を比べられるのがわかりつつ、載せずに売れないのも苦しい。
わざわざ手数料を払って、価格比較サイトに載せています。

以前より、採算は悪化しています。

生き残るカギは、価格比較で1番になることではありません。
冒頭の妄想、さらなる利便性を付けくわえられたら、もはや価格比較できないのです。

旅行の予約しかできないのと、自動運転で送迎までしてくれる会社。
前者の存在感は、一瞬でなくなります。

すでに、通信販売だけでなく、動画や音楽で生活を便利にしてくれている会社があります。
アマゾンです。
もはや他社と比べていませんよね。
買い物では1円でも安くにこだわるくせに、唯一無二の便利さなら有料会員になるのがユーザーです。

結論。
グーグルが本気を出したとき、観光が変わります。
だから、今こそ抜本的にがんばんないと。

ジャイアンとのび太のケンカにドラえもんが出てくるくらい変わります。
グーグルオートは、どこでもドアですから。

どこでもドアは、グーグルのことか?

そうなったときに外資のいいようにならないように、がんばんないと。
OTAの皆さんもともに業界を盛り上げてきた仲間ですので、そこは協力していきましょう。

私は、流通ではなく、宿泊側ですが、宿泊も大きな変化にさらされるでしょう。

それに向けて、今できることは?

旅館はまだまだ可能性があります。
それを磨いていきたいと思います。

ちなみにグーグルオートは、私が勝手に妄想したもので、実際はウェイモといいます。

ウェイモ、実用化の記事

宿としては、マイクロバスと運転手がいらなくなるな、こりゃ。

著者情報

1976年、山形県米沢市生まれ。福島大学経済学部を卒業後、㈱旭テック(現・旭ブレインズ)に勤務。その後、オーストラリアでの1年間の放浪生活、那須温泉・山水閣での研修を経て、2004年、鈴の宿 登府屋旅館にUターン。宿の仕事のかたわら、小野川温泉のまちづくりに注力していた2011年、東日本大震災を経験。震災後は、米沢の温泉旅館の連携を模索。1か月後には、「温泉米沢八湯会」を組織化し、義援金を集め、プランを作り、新たな切り口で米沢の価値を高めている。2013年、代表取締役への就任を機に「車いすでも安心して過ごせる宿」を目指す。「お客さまは、旅館ではなく旅行に来ている」という発想から『車いすで米沢を旅する本』を編纂。車いすでも安心して旅できる地域づくりを行っている。また、宿の宴会場では、不定期で自主セミナーを開催。講演テーマは、「リピーターを生み続ける仕組みづくり」「小野川温泉・米沢八湯のまちづくり」「補助金・マスコミ・ソーシャルメディア活用法」「燃料は、捨てる温泉熱!ヒートポンプで灯油ゼロ」など。自身の経験を公開しながら、他地域からの視察も積極的に受け入れている。