旅館ブログ

流れが変わった!毎日車いすを押し、電話で話したGW

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車いすのお客様がいっぱいでした

4年前からは信じられない変化。

3世代でもラクラクのバリアフリー旅、
そして家族で落語を楽しんでほしい…
鈴の宿 登府屋旅館の 遠藤直人(@naaot)です。

GWも終わって、ホッと一息。
今年は、今までと全然違うGWでした。

このところ、バリアフリー特別室から予約が入ります。
バリアフリーの客室は、1室のみとはいえ、まさかここまで顕著に変わるとは思っていませんでした。

思えば、2014年。
バリアフリー特別室を作ったときは、お金をかけて改装したものの、本当に予約が入るだろうか?」「車いすの方がたくさんいらっしゃるのはわかるが、旅行までしたい方、実際なさる方がいらっしゃるだろうか?」と不安になったものでした。

あれから4年。

今年のGWは、全く違う景色になりました。

下見にもきてくださった横沢さま

皆さまでお祝いした戸田さま

毎日、車いすを押しました。
当館の駐車場から玄関までのスロープは、ちょっと急なのでなるべくお手伝いするようにしております。

違う方の車いすを毎日押す。
4年前は想像できないことです。

また、毎日電話がかかってきました。
「車いすですけど、お風呂に入れますか?」
「車いすですけど、泊まれますか?」

お部屋が空いているかという問合せではなく、その方の症状に対して当館の設備で泊まれるかという問合せです。

その方の状況を思い浮かべながら、当館の設備で問題のありそうなこと、トラブルになりそうな箇所を想像し、こんな作りでも利用できますか?と様々お答えしました。

やっていることは、医者に近い。
当館の設備で泊まれるか診断。

そんな電話が毎日かかってきました。

バリアフリー観光の流れが変わった2018

バリアフリー観光の流れが変わった気がします。

「貸切風呂を作ったから。」
もちろんそれもあると思います。

でも、ここまで変わってきたのは、大きな流れを感じざるを得ません。

全国的に見ても、東北はバリアフリーの宿がまだまだ少ないのが現状です。
東京は、パラリンピックに向け急速に整備が進んでいますし、三重県はかなり前から力を入れています。

そんな東北でも山形は、今一番、伸びています。

県のバックアップ体制もそうですが、山形バリアフリー観光ツアーセンターの加藤健一さんが毎日のようにテレビや新聞、SNSに出て、知らず知らずのうちにバリアフリーを意識するようになりました。

バリアフリーに関心の高い私はもちろんですが、一般の方も目にする機会がかなり増えました。

すると「車いすでも出かけてもいいんだな」とご本人も思えるようになる。
「車いすで旅行できるんだな」とご家族も思えるようになる。

この社会全体の雰囲気が、個人の行動の元になります。

4年前よりも変わってきたのは、そんな雰囲気なのかなと思う今日この頃です。

著者情報

1976年、山形県米沢市生まれ。福島大学経済学部を卒業後、㈱旭テック(現・旭ブレインズ)に勤務。その後、オーストラリアでの1年間の放浪生活、那須温泉・山水閣での研修を経て、2004年、鈴の宿 登府屋旅館にUターン。宿の仕事のかたわら、小野川温泉のまちづくりに注力していた2011年、東日本大震災を経験。震災後は、米沢の温泉旅館の連携を模索。1か月後には、「温泉米沢八湯会」を組織化し、義援金を集め、プランを作り、新たな切り口で米沢の価値を高めている。2013年、代表取締役への就任を機に「車いすでも安心して過ごせる宿」を目指す。「お客さまは、旅館ではなく旅行に来ている」という発想から『車いすで米沢を旅する本』を編纂。車いすでも安心して旅できる地域づくりを行っている。また、宿の宴会場では、不定期で自主セミナーを開催。講演テーマは、「リピーターを生み続ける仕組みづくり」「小野川温泉・米沢八湯のまちづくり」「補助金・マスコミ・ソーシャルメディア活用法」「燃料は、捨てる温泉熱!ヒートポンプで灯油ゼロ」など。自身の経験を公開しながら、他地域からの視察も積極的に受け入れている。