旅館ブログ

旅館が一番大事にすべきは、料理でも風呂でもないんです

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料理も温泉も、一番大事ではない

ホントなんです。

こんにちは。

3世代でもラクラクのバリアフリー旅をお手伝いしています。
鈴の宿 登府屋旅館の 遠藤直人(@naaot)です。

旅館というと、お客様の関心は…
「どんな料理が食べられるか、楽しみ♪」
「露天風呂で雪見風呂、楽しみ♪」

となるのが当たり前です。

 

雪見風呂

雪見風呂、最高です♪

 

もちろん、そこで期待に応えるのが、私たちのお仕事ですし、日夜がんばっております。

しかし、実は、私たちが一番気にしているのは、料理でも、温泉でもありません。

 

「安全」が一番大事な商品

一番大事なのは、「おいしい」でも「気持ちいい」でもなく、「なにもない」なんです。

無事。

この見えない状態をいかに生み出すかが一番大事なんです。

旅館は、1泊2食。
滞在時間が長く、いろんなことをなさいます。

食事、入浴、就寝、移動…。

そのそれぞれで、「なにもない」ことが大事です。

カンタンに考えられるリスクとしても…。

地震で建物が崩れたら…

食中毒が起きたら…

お風呂でレジオネラ菌に感染したら…

送迎バスで事故になったら…

火事が起きたら…

 

建物が壊れたりしないように、行政の基準のもと、検査結果を報告しています。

保健所の検査を受け、厨房の衛生やスタッフの健康管理に気をつけています。

源泉かけ流しの湯船をちゃんと清掃し、清潔な状態を保っています。

送迎バスのメンテナンスをしながら、安全運転で運行しています。

消防署の指導のもと、火災報知器の動作チェックや火の用心をしています。

ほかにも、様々なリスクへの備えがあります。

 

とにかく「安全」が一番です。

「無事」でなによりです。

 

お客様にそんなことを気づかせるようでは無粋なのかもしれません。

でも、ここ数日のニュースを見て、改めて思います。

「安全」に代わるものはない。

お客様にお願いしたいのは、「安全」を維持するにもコストがかかるということ。

それをやりくりしながら、お客さまに楽しんでいただくのが、われわれの仕事です。
ただ、安全にまつわるコストは、間違いなくあります。

安全のコストは、緊急度を感じにくいものです。

「まさか起こると思えない」
「うちに限って…」

甘い考えのもと、「今回くらいは、いいか…」と後回しにならないよう…。

安全には、厳しくやっています。

今までも、これからも。

「安全」という土台があっての「楽しみ」ですから。

著者情報

1976年、山形県米沢市生まれ。福島大学経済学部を卒業後、㈱旭テック(現・旭ブレインズ)に勤務。その後、オーストラリアでの1年間の放浪生活、那須温泉・山水閣での研修を経て、2004年、鈴の宿 登府屋旅館にUターン。宿の仕事のかたわら、小野川温泉のまちづくりに注力していた2011年、東日本大震災を経験。震災後は、米沢の温泉旅館の連携を模索。1か月後には、「温泉米沢八湯会」を組織化し、義援金を集め、プランを作り、新たな切り口で米沢の価値を高めている。2013年、代表取締役への就任を機に「車いすでも安心して過ごせる宿」を目指す。「お客さまは、旅館ではなく旅行に来ている」という発想から『車いすで米沢を旅する本』を編纂。車いすでも安心して旅できる地域づくりを行っている。また、宿の宴会場では、不定期で自主セミナーを開催。講演テーマは、「リピーターを生み続ける仕組みづくり」「小野川温泉・米沢八湯のまちづくり」「補助金・マスコミ・ソーシャルメディア活用法」「燃料は、捨てる温泉熱!ヒートポンプで灯油ゼロ」など。自身の経験を公開しながら、他地域からの視察も積極的に受け入れている。